第17巻 人間ドック


「健全な精神は、健全な肉体に宿る」


古代ギリシャ詩人、”ユウェナリス”の言葉です。


国会議員という仕事柄、なかなかお休みをとれない代議士。(>▽<;;

朝は8時からの自民党本部での部会に始まり、夜は会合を多いときには3〜4件をはしごするという超ハードなスケジュールを、月曜日から金曜日までこなし、なかなか帰れない地元・福岡を土・日の2日間で回るため、いずれも早朝から夜遅くまでの激務という鉄人ぶり。

そんなハードスケジュールの中に組み込まれる連日の夜の会合は、凡人であれば苦痛以外の何ものでもないはず。

しかし、鉄人・山本幸三代議士には、古巣の大蔵省(現:財務省)で鍛えられた精神と鉄の肝臓、そして”秘技”があるのです。



昭和46年、青雲の志を抱き、大蔵省に入省した山本幸三青年は、入省初日に上司より、

「本日から社会人なのだから、今晩いかなることがあろうとも、明日は這ってでも出てくるように!」

との薫陶を受け、入省試験に先立ち提出した身上申告書の、

『酒は何合呑めるか?』(こんな質問があるんですね・・・)の欄に、


『7合!』


ビッグマウスで申告した事実に基づき、実証検分を1つ上の先輩諸氏より受けることになる。


当然、勉強ばかりしていた当時の山本幸三青年は、そんなに呑めるわけもなく、お決まりの記憶喪失。翌朝は想像通り汚れたスーツで起床し、頭はガンガン・・・ε- ( ̄、 ̄A)

しかし前日の上司の“這ってでも出てこい”の言葉は、記憶力バツグンの脳に刷り込まれており、あえなくゲーゲー言いながらも出勤。


温かく迎えられた大蔵省は酒豪が多いらしく、”忙中閑”ならぬ”忙中宴”という大蔵省にあって、山本幸三青年は鉄人に精錬されていくのであった・・・┐(´-`)┌



とはいえ、山本幸三代議士も人の子。

生身の身体を持ち、歳もとり、鉄の肝臓にも限界はある。そこで登場するのが彼の秘技『超熱燗』

グルメを装う山本幸三代議士の好むお酒は日本酒の熱燗。その熱燗を沸騰してもらってからどの店でも出してもらう。

(アルコールが充分抜けた日本酒は、確かに肝臓にはやさしいが、味は・・・・それにグルメだけど・・・まっ、いいか)


そんな多忙な山本幸三代議士ですが、年1回の定期検診の結果はさぞかし気になるだろうと思いますが、意外なことに超優等生。まさに鉄人であります。


そんな鉄人にもいつものように弱みはあります。


それは“人間ドック”


ご存知の通り、人間ドックを受けるため、前日の夜から食事制限がありますよね。“秘書のつぶやき 第3巻”でも書きましたが、山本幸三代議士は空腹には敵いません。

以前、こんなことがありました。


経済産業副大臣を仰せつかっていたある日、午前中は人間ドックを受け、午後からは通常の職務に就いていた山本幸三副大臣

胃カメラの麻酔がまだ完全にきれていない状態にも関らず、”うどんくらいだったら大丈夫だろう”という勝手な思い込みと、前日からの食事制限による空腹もあり、猛ダッシュでうどんをすすり、あっという間に完食。。≠( ̄〜 ̄ )


その後は時間が経つにつれ、顔が青くなっていく副大臣

夕方開催の、首相官邸での公式会議もなんとかこなし、部屋に戻って来た頃には冷や汗で上着はビッショリ・・・(; ̄ー ̄川

ゼーハーゼーハー言いながら、蚊の鳴くような声で、

「今日の夜の会合は、キャンセル出来るかなぁ・・・」